驚異的な成長を遂げる「エンタメアプリ」
中国発サービスも健闘

 ランキングを見ると、PayPayやLINE Payをはじめとする「スマホ決済アプリ」の躍進が目立つ。昨年10月の消費増税に伴うキャッシュレス・ポイント還元も、スマホ決済アプリのダウンロードを増加させた要因の一つといえるだろう。

 また、App Annie Japan代表の向井俊介氏は、注目すべき点として「エンターテインメントアプリの躍進」を挙げる。

 Amazonプライム・ビデオやNetflixが、莫大な予算をかけてヒット作を次々と生み出しているのは周知の事実だ。こうした動画配信サービスのコンテンツの質および量の向上もあり、エンターテインメントアプリの利用頻度や時間は大幅に伸びている。2019年の日本におけるエンターテインメントアプリのセッション数は、2年前と比較して約70%増加するなど、その成長は驚異的だ。
※ユーザーがアプリを訪問した回数

 加えて、漫画アプリの人気も根強い。集英社が提供する少女漫画アプリ「マンガMee」が8位、講談社の「マガポケ」が32位、「パルシィ」が36位に入っていることから、プラットフォーマーのみならず、大手出版社が自ら漫画というIP(知的財産)を有効活用し、アプリでのマネタイズに取り組んでいることがわかる。

 そして、もう一つ見逃せない特徴は、中国発サービスの成長だ。9位にランクインしたカメラアプリ「Ulike」を手掛けるのは、動画共有サービスTikTokで一世を風靡(ふうび)したバイトダンスだ。また、34位のタクシー配車サービス「DiDi」も、中国で配車アプリのシェアトップを誇る滴滴出行とソフトバンクの合弁会社であるDiDiモビリティジャパンが提供している。

「2018年にTikTokが日本国内ナンバーワンのダウンロード数を獲得し、荒野行動が日本のアプリ市場の歴史において初めてトップ5にランクインしましたが、このタイミング以降、明らかに中国の企業が日本国内でビジネスを加速させることに成功しています」(向井氏)
編集部注※中国企業「NetEase」が開発・運営するゲーム

 この2つのアプリの大きな成功をヒントに、新たな中国発アプリも日本市場に着実に進出しだしている。

「実際、2019年に入ってから多くの中国ベンチャー企業が日本人の財布の紐を緩ませることに成功し、限られた可処分時間を獲得しはじめています」(向井氏)

 スマホ時代に、ますます重要な顧客接点となるアプリ。日本人1人あたりが利用するアプリは、一カ月あたり平均30個ほどだという。アプリ市場の覇権争いは、ますますグローバルに、かつ熾烈な戦いになっていくだろう。