米経済は過去にも急停止したことがあったが、現在のような経験は初めてだ。ここ数日のように事業活動が突然中断されるのは前代未聞のことだ。過去1世紀には、米国民の心理がこれより大きく動揺することが幾度かあった。真珠湾攻撃、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺、米同時多発テロによるツインタワー(世界貿易センター)の崩壊 ―― だが、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために人々や政府、企業が取っている現在の措置ほど、日々の商業活動を急激に落ち込ませたものはかつてなかった。景気後退(リセッション)は既成事実だ。支出がどれほど大きく減少しているかは、時間がたたなければ分からない。だが、先週末の米映画館の興行収入や公共交通機関の乗客の急減など初期の兆候は、かなりの悪化を示している。一見しただけでも明らかだ。レストラン、不動産事務所、理髪店、スポーツジムなど、仮に閉店されていないとしても深刻な営業不振に陥っている事業は枚挙にいとまがない。
米経済、全てが急停止すれば何が起こるか
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