米連邦準備制度理事会(FRB)は17日、企業の短期資金調達を支援する制度の導入を発表した。これにより、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で手元資金の確保に頭を悩ませていた多くの最高財務責任者(CFO)はいくらか安堵(あんど)するだろうと、エコノミストらは述べている。ただ、この制度は大企業への流動性供給を主な目的としているため、企業の財務責任者らは、中小のサプライヤーや一般企業が直面している流動性危機が自社の収益に与える影響についてよく考え必要があるという。米国では各自治体が新型ウイルスの感染封じ込めに動き、多くの企業が数日前から休業を余儀なくされている。FRBの元エコノミストで、現在は南カリフォルニア大学マーシャル経営大学院教授を務めるロドニー・ラムチャラン氏は「格付けが付与されていない中小企業や、普段からCP(コマーシャルペーパー)を発行していない中小企業には、そのような安全網がない」と指摘。「支援策の整備されていない企業が取引先だった場合、自らもいつか大きな痛手を被ることに気付くだろう」と述べた。