日銀の黒田東彦総裁
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――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 世界で新たな緊急の金融政策手段が求められる中、日本に視線が向けられている。バブル崩壊から30年、現行の枠組みである「長短金利操作(イールドカーブコントロール)」は圧力にさらされつつあり、今後の動向を注視する必要がある。

 日銀は他の中銀量的緩和(QE)とゼロ金利政策の効果を分析できるように道しるべをつくった。ここにきて米連邦準備制度理事会(FRB)が無制限の債券買い入れプログラムを打ち出したことで、次は日本が実施している直接的な価格設定の枠組みへと一歩を踏み出すかもしれない。

 米国債のオプション取引のボラティリティーが3月初旬に跳ね上がる一方で、日本国債市場のボラティリティーはなお極めて低水準にとどまっていた。実のところ、いつもの米国債市場と比べても低かった。

 だが、もはやこうした状況は終わった。米国債市場の基準に照らせばなお低いが、日本国債市場のボラティリティーは今週に入って、2008年終盤以来の水準に上昇した。これは、金融政策が変更されるか政策が機能しなくなるとの見方を、少なくともある程度示唆していると言える。