隣国である
韓国の経済状況が心配だ
中国でコロナウイルス感染拡大にやや一服感が出る一方、欧州各国や米国などで感染の拡大が深刻化している。特に、イタリアや米国に加えて、医療制度の整備が遅れているアフリカ諸国にも感染が拡大している。そうした状況は短期間では解決が難しいだろう。終息までには、まだ時間がかかるとみるべきだ。
そうした状況下、隣国である韓国の経済状況が心配だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権は自国経済を守ろうと必死なのだが、3月に入り韓国から投資資金の流出が顕著になっている。一時、韓国の通貨ウォンの対ドル為替レートは過去10年間の安値を更新し、韓国総合株価指数(KOSPI)はリーマンショック発生直後の水準にまで下げた。
投資家心理が冷え込んでいる背景には、コロナショックの終息時期が読みづらいことに加えて、韓国経済の貿易依存度の高さなどの構造的な問題が浮き彫りになっている。今後、そうした状況に大きな変化が見られないと、同国を取り巻く経済環境は依然として不安定な状況が続くとみた方がよいだろう。
米ニューヨーク市でも感染者が急増している。同市では医薬品の枯渇など、医療制度の維持が困難になりつつある。トランプ政権がオバマケア制度の廃止を明確にしたため、医療保険に未加入の国民が増えたことも事態を悪化させる一因となっている。一部の専門家からは、「米国の医療制度は崩壊の危機に瀕している」との声も上がっている。