コロナ対策として政府が検討している
現金給付をどう考えるか

 政府は、コロナ対策として現金給付や商品券の支給などを「かつてない規模で」検討しているようだ。

 一時的な現金給付は、継続的に計算できる所得ではない点でベーシックインカムと異なる。ただ、国民に一律に現金を配るならベーシックインカムと似た政策になる。

 この政策は、(1)迅速に行えること、(2)使途が自由であること、(3)事務が簡素であること、(4)必要があれば大きな金額で実行できること、などの点で望ましい。

 日本の政策がしばしば陥りやすい「戦力の逐次投入」的な愚を避けて、迅速かつ大規模に行うことが適切だ。

 例えば、5月の連休前に国民1人当たり10万円を給付して様子を見るといい。財源は約12兆5000億円だ。現在の政府の口ぶりだと、もっと使うつもりがあるようだから余裕がある。

 必要があれば、2〜3カ月後にもう一度やってもいいし、景気回復期に消費を後押しするために、先に挙げた国民年金(基礎年金)保険料の無料化や消費税率の引き下げに使ってもいいだろう。

 当面は心配すべきではないが、将来インフレが問題になった場合に、分配の観点で妥当だと思われる対象に増税すればいい。コロナ対策は緊急を要するが、将来の増税については議論の時間がたっぷりある。政治家さんたちは、将来の税制について熟議してくれるといい。

 本人と扶養家族が受け取った給付は、所得に繰り入れて後で所得税や住民税の対象にするといい。現在の課税制度がまがりなりにも公平だというなら、税制の観点から問題はないだろう。サラリーマンは年末調整で課税額を調整すればいいし、フリーランサーなど確定申告をしている人も確定申告に反映させるといい。一律支給なので幾ら支給されたかは明確であり、ごまかしの余地はない。

 もちろん、不足する財源については国債を発行して、金融緩和政策の一環として日本銀行が国債の購入額を増やすことが重要だ。