時間を掛けようとする政治家は有害
「所得制限」「使途制限」はするな

「対象者を絞って」、「ピンポイントで必要な人に」等と言って議論に時間を掛けようとする政治家は、与野党を問わず、自らが有害な役割を果たしていることに気づいてほしい。

 所得にせよ、業種や働き方にせよ、対象者の線引きは難しい。

 例えば、年収400万円未満の世帯を対象にした場合、年収400万円の世帯と、年収399万円の世帯で、実質的な所得に逆転が生じることが適切だとは思えない。また、小・中学校でクラスメート同士が、「お前の家は現金給付の対象なのか?」などと話し合うような給付金がいいとも思えない。

 飲食業者が困っているのは事実だろうが、飲食業者にさまざまな商品を納入している業者も売り上げが激減しているだろうから、業種で対象者を区分けするのも難しい。政治的な議論には、全くなじまない。

 また、景気対策としての商品券も、(1)無用に使途を制限する非効率性、(2)手続きに掛かるコストが非効率的、(3)現金給付よりも時間が掛かること、(4)対象商品の選定に生じる不公平性、といった問題がある。

 対策の迅速な決定と実行のために、そして何よりも受給者にとっての利便性の点で、特定業界への振興策をコロナ対策に持ち込ませないことが肝心だ。

 なお、給付金の受け取りを所得に算入して課税するといいというアイデアは優れていると思うが、これは筆者が思い付いたものではない。立憲民主党の海江田万里衆議院議員のメールマガジンに記されていた提言だ。

 野党第一党である立憲民主党は、党内に良いアイデアの持ち主がいるのだから、「給付金一律10万円の早期支給。その後に消費税率の5%への引き下げを求める」とでも方針を決めて、野党の中でリーダーシップを取り、与党に政策実行へのプレッシャーを掛けてはどうだろうか。

 もちろん、与党が迅速にこれ以上の政策を実行してくれるのでも構わない。お金は使うべき時に有効に使いたい。