米経済は、近年には例のないようなボディーブローを受けている。2月にわずか3.5%だった失業率は、今後の数か月で2008~09年のリセッション(景気後退)時のピークを上回り、10%を超えるかもしれない。一部には20%を超えるとの見方もある。これは大恐慌以来見られなかった水準だ。しかし、今回の事態が深刻なリセッションのような、ましてや恐慌のような打撃をもたらすのは必至との結論を下すのは尚早だ。今後の打撃の大きさは、これから1~2カ月の間に失業率がどこまで上昇するのかだけでなく、その水準がいつまで続くのかに左右される。それは結局、以下の2つの条件次第だということになる。保健医療分野の当局者が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を止めるのにどれほど時間がかかるのか。事業者と労働者が政府支援を受けながら、その間どうにかやりくりできるのか。