中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を巡り、米中間で新たな緊張関係が生じている。そこで敗者になるとみられるのは、世界の半導体メーカーだ。ファーウェイが3月31日に行った2019年度決算に関する電話会見は、今後起こるであろう地政学的な主導権争いを予感させた。トランプ政権による同社サプライチェーン(部品の調達・供給網)への新たな制限措置の可能性について問われると、輪番会長の徐直軍(エリック・シュー)氏は、中国政府はファーウェイが「まな板の上で殺される」のを黙って見過ごすことはないと答えた。その上で、パンドラの箱が開けば、世界のサプライチェーンに破滅的な打撃が及ぶだろうとした。米政府は新たな制裁措置を検討しているとされ、台湾の半導体ファウンドリー(受託生産)最大手、台湾積体電路製造(TSMC)がファーウェイ傘下の海思半導体(ハイシリコン)向けに製造する半導体の販売を阻止する可能性がある。
米中「コロナ停戦」は期待薄、ファーウェイ巡り
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