経済崩壊の危機も
米国との外貨スワップで一息

 だが、文政権は欧米や日本の失敗をあげつらっている場合ではないはずだ。

 韓国経済は為替と金融、実体経済の複合的な危機に直面している。3月23日には1ドル=1280ウォンほどにまで下落していた。1200ウォンは、ウォン下落に歯止めがかからなくなる危険水準といわれているが、それを大きく割り込んだのだ。韓国総合株価指数(KOSPI)も1470ほどまで下落した。これは2200を大きく超えていたところからの、大きな下落である。

 また、実体経済においても、野村証券によれば20年の韓国の成長率は最悪の場合マイナス12.2%、基本シナリオでマイナス6.7%だと予測されている。韓国経済は、もともと新型コロナ危機が生じる前から、成長率が過去最低水準にあった。そんな中で、サムスンや現代などの主要企業の売り上げの半分以上が米国と欧州であり、米欧の景気後退の影響をもろに受けることになる。加えて中国への貿易依存度が25%であり、中国からの部品供給の遅れが響く。

 韓国の中小零細企業への影響はさらに大きい。中小企業中央会によると、今年2~3月に廃業または死亡した零細業者がそれまでに拠出した共済金を年金形式で受け取る「黄色い傘」の支給件数が、昨年同期比41%と急増した。

 こうした韓国経済の窮地を救ったのが、米国の外貨スワップ600億ドルの合意である。これによって韓国ウォン相場は1ドル=1220~1230ウォン程度まで戻しており、株式相場(KOSPI)も4月2日現在1720を回復している。これによって、韓国企業のドル調達コストの急上昇を抑え、韓国企業も助けることになるだろう。文政権は、中国ではなく米国に助けられたのである。