移動制限の緩和を目指す欧米諸国の間で、新型コロナウイルス感染者の追跡と濃厚接触者の特定に向けて、異例の監視体制を検討する動きが広がっている。中国、シンガポール、イスラエル、韓国はすでにデータを活用しており、感染拡大ペースの抑制に寄与したとの考えを示している。これまで市民のプライバシー保護をより重視してきた欧州や米国も、ここにきてアプリや携帯電話のデータを活用する同様の措置を模索し始めた。欧州では、プライバシー保護に目配りしつつ、各国のアプリからの情報を使って共有システムの構築を目指すプロジェクトが始動した。メンバーのクリス・ブーズ氏は「感染者との近さを追跡する方向へとすべてが向かっている」と話す。「誰かが感染し、感染の危険がある人が特定できれば、数百万人ではなく、10人を隔離すれば済む」