全米で新型コロナウイルス感染が深刻化する中、ドナルド・トランプ大統領は政権を「戦時体制下」に置いた。民間企業に医療機器の製造を指示したほか、国民の移動を制限し、軍を一部出動させた。自ら日々のブリーフィングを行い、支援の実施を関係当局者に迫っている。だが、側近や政権関係者によると、トランプ氏自身の言動が時には、避けることのできない不透明感を増幅させ、場当たり的な対応を招いている。指導者としてその自由奔走なスタイル(就任以来の38カ月間にわたりドタバタ劇が続く米政界で顕著だ)は、国家が非常事態に直面する中、今まさに真価を問われている。トランプ氏はここ数週間に、まだ構想段階の案を発表するよう迫る、または思い付きの発言をするなどして、政権の方針を覆すことが何度かあった。
トランプ流コロナ危機対応、「五里霧中」の危うさ
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