業績不振の日産自動車・仏ルノー連合は春になれば心機一転、再スタートを切るはずだった。利益や販売台数の詳細な予想に裏付けられた向こう3年間のビジョンを発表し、投資家の注目を集めることを経営幹部は期待していた。だが予想はもう意味をなさなくなった。販売が消滅し、大半の工場が閉鎖される中、両社のトップはいつ業務が平常状態に戻るのか知るすべもなく、視界不良で飛行していると話す。日産の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)はインタビューで、現時点で2020年の正確な予算を立てられる自動車メーカーがどこにあるのだろうかと語った。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により、内田氏のみならず、世界中の多くのCEOがビジョンを設定し、それを遂行するという主要な任務を突如果たせなくなった。目下、多くの経営者が2008年の世界金融危機から教訓を学びつつ、世界が再び平常に向かい始めるまで体力を温存させることに集中している。
日産・ルノー連合、コロナで「視界不良」の再出発
内田CEOはキャッシュ・マネジメントに注力と語る
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