そうした状況下、政府は緊急経済対策の一環として、国民1世帯当たり30万円の現金給付を決めたが、給付の対象は世帯主の収入が減った低所得世帯が中心、役所の手続きでは収入がどれくらい減ったかを証明する書類の提出が必要、といった条件が設けられた。リーマンショック時に配った(もらった記憶はとんとないのだが……)1万2000円が、消費ではなく貯蓄に回ってしまい、経済活性化に寄与しなかったという教訓も、給付条件のハードルを上げているのだろう。

 しかし、目に見えないウイルスとの戦いという点において、リーマンショック時と今回とではかなり事情が違う。食品や日用品だけでなく、家庭によっては食品をストックするための冷凍庫、ウイルス対策のための空気清浄機といった家電製品を必要とするケースもあるだろう。そう考えると、お金はいくらあっても足りないのだ。

 必要なモノも手に入らない、お金もないでは、まさしく八方ふさがりである。

生活に必要な消費を
「家計調査」を基に試算

 現在も巣ごもり生活の影響で、じわじわと食費が増加している。そこに、今回の外出自粛要請の強化だ。ストックできる食品を、なるべくまとめ買いしたいという気持ちは強い。「食品など生活必需品は買えるので安心を」と言われても、スーパーに行くのが不安という人も多いだろう。

 そこで、我々が普段スーパーなどで買っている品物のうち、足もとでよく買われて品薄になっている「いざというとき用にストックしておきたい品物」をまとめ買いしたら、いくらかかるかを試算してみる。不安に駆られてむやみに買うのは家計にダメージになるため、もし「まとめ買い用予算」を立てるとしたらこのくらい、という金額の目安を出したいという意図だ。本稿は今社会問題になっている「買い溜め」を読者に推奨するものでは決してないことを、予めお断りしておく。

 ライフスタイルや家族構成によって必要な金額は異なるため、試算には公的なデータである『家計調査』(2人以上の世帯)の数字を使うこととする。家計調査は総務省統計局が毎月実施しているもので、調査世帯に日々の収入・支出、購入数量などを家計簿につけてもらい、個人消費を俯瞰するデータとして使われる。ひと月に買った品目の数量と支出額から、品目ごとの平均購入価格を割り出しており、それを見れば、家庭が買っている「ひと月のお米代は○○円」という数字がわかるわけだ。