国債はいずれ償還せざるを得ないから、将来の財政をさらに圧迫する結果になり、米国、日本をはじめ各国で防衛費の削減が必要となるだろう。

 世界的な不況で中国の経済成長も当面は低迷しそうだ。中国はこれまで約20年間、国防費はGDPの1.2%ないし1.3%の比率を保ち、GDPの急増にともなって国防費は過去20年間で10倍になった。それにも相当ブレーキがかかる公算が大きいと思われる。

 不況で失業率が高い時期には軍の入隊希望者は増える。中国は名目上は徴兵制だが実態は志願制だ。だが国防予算が削られては採用を抑えざるを得ない。

 どの国の軍でも装備の更新が遅れ、海外派兵や哨戒、訓練などの活動経費が削られる可能性は高い。さらに疫病の再発、伝染を警戒して多数の将兵を動員する演習も控えめになれば、各国の軍備競争が停止、一時的には“コロナ軍縮”の現象が生じるかもしれない。

(軍事ジャーナリスト 田岡俊次)