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「リサーチ部門はブラックボックス。私はガートナーのサービスの一ユーザであり、ベストのユーザでありたい」――ガートナーCIO、ダーコ・ヘリック氏に聞く

2012年8月20日
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――ビッグデータの活用についてはどう取り組まれていますか。また、ソーシャルメディアの活用についてはいかがでしょう。

 ガートナーにとってのビッグデータは、我々がベンダや顧客とのやり取りのなかで日々収集している情報です。毎年、数十万社と接触しています。30万社の顧客とアナリストの一対一のインタビューがありますし、イベントも大きな接点となります。エグゼクティブパートナーやCIOの方とのミーティングなど、そういう中で交換してきた情報は私たちの資産であり、燃料です。

 ソーシャルテクノロジーはやはり有効だと思います。将来的には活用できるようにしたい。ソーシャルの情報の一部をキャプチャして取り込みたいと考えています。今はいろいろなインタラクションがあっても一部の人の頭に残っていて、それをほかの人が活用するということはできていない状態です。それぞれの頭の中にある情報をガートナー全体として共有化し、活用できるようにするのは可能性があることです。

 ソーシャルメディアが、ガートナーのビジネスにとって脅威になるのではという質問をよく受けますが、インターネットで共有されているような情報は、ガートナーが日々の対話のなかで収集しているデータのほんの表面をなでたような情報にすぎないものです。実際にはより深く、重い内容があり、そのような情報はセキュリティで守られたプライベートな情報であり、インターネットで公開されているような情報には見当たりません。法務的なアドバイスをインターネットでもらうのと、顧問弁護士に聞くのとでは違うのと同じです。

――一方で、ソーシャルメディアの影響力をどう活用していくか、は既存の情報産業にとって大きな課題です。

 多くのチャンスがあると思います。インターネットのコンテンツに価値がないというつもりではなく、ガートナーの情報の持つ詳細さや価値とはレベルの違うものだということを申しただけです。

 ソーシャルテクノロジーは三つのくくりで考えることができます。一つは、社内で使っていくこと。従業員同士のよりよい共同作業のために使っていくことができます。二つ目は、顧客同士が情報交換のためにつながりを持っていくために使うことができます。三つ目は、従業員と顧客とのよりよいインタラクションのために使っていくこと。サービス提供や、顧客支援のために使っていくことです。

――最後に、日本のCIOへメッセージをいただけますか。

 苦しみを分かち合いましょう(笑)。私も同じ悩みを抱えています。日本の企業もほかの国の企業もCIOの悩みは共通している部分の方が多いと思います。

 まじめな話をしましょう。CIOにとってチャンスは広がっています。ほんとうの意味でビジネスに違いをつくりだすことに貢献できるようになっていると思います。単に損益という部分だけでなく、売り上げに貢献できるようになってきました。これまでにないほど業績に対するインパクトを持ってきたと実感しています。CIOの未来は明るいのです。

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