竜さんの実家はパンデミックの震源地・湖北省にある。三峡ダムで知られる宜昌市だ。省都の武漢より早い3月20日にロックダウンが解かれたが、まだ混乱は続いている。

 封鎖中、化学関連の仕事をする父は仕事ができなくなり、その間の休業補償は給料の40%。異国で学ぶ息子に仕送りをする余裕はなくなった。だから竜さんはコンビニで働き、生活費を稼ぎながら、学校の再開を待っている。

 緊急事態宣言下の都内、いまや重要な「インフラ」となっているコンビニを支えているのは、その多くが竜さんのような外国人留学生だ。不特定多数のお客と接するため、感染の恐怖は常につきまとう。ビニールカーテンでレジを防護する取り組みも一部で始まったが、不安は消えない。それでも、生活費のために「最前線」で働かざるを得ない。

 とはいえ、留学生には週28時間しかアルバイトが認められていない。超過すると法に問われ、留学ビザが取り消されることもある。生活のためにはもっとアルバイトをしたい。しかし法律の壁と、コロナの怖さがある。そのジレンマの中で留学生たちは働いている。

突然の営業中止で
生活苦に陥る人たち

 それでも仕事があるだけ、まだ良いほうかもしれない。

 生活必需品を扱うコンビニやスーパーマーケットが営業を続ける一方で、「不要不急」の店は、国や自治体の自粛要請を受けて次々と閉店している。とくに飲食や小売などの現場で働いていた留学生に大きな影響が出ている。

「昨日突然、しばらく店が閉まると知らされたんです」

 都内の衣料ショップで働く張夢涵さん(28)は、いきなりアルバイトを失った。店の同僚には同じ中国人やベトナム人などさまざまな国の留学生がいるが、急な知らせに誰もが戸惑っている。

張夢涵さん
コロナ禍の中での就職活動を強いられている張夢涵さん(撮影:史涵)