外国人留学生たちはさまざまな悩みを抱えているが、それでも彼らに共通しているのは「このまま日本にとどまりたい」という思いだ。

 牛爽さんは、「もし東京の感染拡大がもっとひどくなっても、日本にいようと思います。日本は生活環境もいいし、いまの生活が好きだから」と語る。

 竜有為さんも張夢涵さんも、両親からは帰ってこいと心配されるが、それでもぎりぎりまでこの国で学びたいと言う。

牛爽さん
牛爽さんは大学院の再開を待つ日々を送っている(撮影:史涵)

 そもそも、留学生たちが帰国しようにも、いまとなっては難しい。どの国も厳しい入国制限を敷いているし、国際線の多くが運航を取りやめている。わずかばかりになった空路では、航空券がひどく値上がりしている路線も少なくない。

「もし帰れたとしても、母国で2週間の隔離になります。そのためにたくさんの社会資源や人的資源を使ってしまう。誰もがたいへんな時期に、それはどうなのだろうか、いま帰るべきではないのではないか…中国人留学生の間ではネット上でそんな議論も起きています」と揚さん。

 そして、いったん帰国してしまったら、今度は日本に戻ってこられなくなるのではないか。そのことも留学生たちは恐れている。

 せっかくがんばって、希望を持って留学しに来たのだ。コロナに負けたくない、将来を邪魔されたくないという気持ちは強い。

 彼ら留学生もまた、日本社会を構成する一員だ。日本人と同様に学び、働き、この国を支えている。であるなら、外国人に対する支援策も、もう少し検討されてもいいのではないだろうか。

(ライター 室橋裕和)