新型コロナウイルスに関する多くの不明点の中でも、研究者らは目下、とりわけ難解な問いの答えを求めて取り組んでいる。気温が上がれば、感染ペースが鈍化するかどうかだ。実際に感染ペースが減速すれば、米国やスペイン、ドイツなどは、夏になれば状況が落ち着くかもしれない。インドネシアやインドなど、一般に熱帯性の気候に当たる地域は、イタリアやニューヨークのようなウイルスが大流行する事態は避けられる可能性がある。だが、これは白か黒かはっきりと答えが出る問題ではない。新型コロナウイルスが、熱に弱い系統のウイルスである点は朗報だ。コロナウイルスは通常、脂肪とタンパク質に覆われており、高温では形を失う傾向がある。これは融解のようなプロセスで、ウイルスは事実上、その効力を失う。またコロナウイルスは低湿度の環境で、最も長く生存する傾向がある。