――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  先週8日、投資家は米自動車大手フォード・モーターが債務不履行(デフォルト)に陥る可能性をおよそ20%と見込んでいた。10日にはそれが14%に低下した。  その間に何が起きたのか? 米連邦準備制度理事会(FRB)は9日、新たな経済支援策の柱の一つとして、ジャンク級に転落した債券(3月22日までは投資適格級だったもの)を買い入れると発表した。その対象にフォードも含まれている。  これはFRBが経済に対する広範囲の新たな影響力を手にしたこと、またその影響力には潜在的な危険が伴うことを浮き彫りにした。