先週8日、投資家は米自動車大手フォード・モーターが債務不履行(デフォルト)に陥る可能性をおよそ20%と見込んでいた。10日にはそれが14%に低下した。その間に何が起きたのか? 米連邦準備制度理事会(FRB)は9日、新たな経済支援策の柱の一つとして、ジャンク級に転落した債券(3月22日までは投資適格級だったもの)を買い入れると発表した。その対象にフォードも含まれている。これはFRBが経済に対する広範囲の新たな影響力を手にしたこと、またその影響力には潜在的な危険が伴うことを浮き彫りにした。党派対立によって連邦政府が機能不全に陥りがちなこの時代に、FRBは迅速で効果的、かつ政治と関係なく行動できるということを証明した。一方で、伝統的に政治家が引き受けてきた決定をFRBが行う必要が出てくるため、党派対立の戦場に引きずり込まれる恐れがある。
FRB、米コロナ対応の最強機関に 独立性保てるか
迅速に動いたが党派対立に巻き込まれる恐れも
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