外に出られないということ以外は
特に大きな不便は感じなかった

――隔離中の2週間、外には一歩も出なかったわけですよね。何か不便なことはありましたか。

 自由に外に出られないということ以外は、特に大きな不便は感じませんでした。ゴミも毎日玄関まで収集にきてくれましたし…。

 最初は14日間は長いな思っていましたが、慣れ親しんだ自宅での隔離のためか、意外と気楽でした。特に精神的につらいこともなかった。妻が妊娠中のため、少し心配でしたが、医師と社区の担当者らが24時間体制でしっかり管理しているため、むしろ安心感があって、上海に戻って正解だったと思いましたね。

 そして、みんな親切で優しかった。隔離中、担当者がきて、自宅のドアに「福」の字を貼ってくれたり…。隔離最終日には、医師から「今晩24時にて隔離が解除されるので、これで君たちは晴れて自由の身だ。今日の夜中から外に出ていいよ、今まで大変だったね。ご協力感謝します」と言われた。

 隔離中はとにかく「早く外に出たい」と思っていましたが、いざ出ようとなると億劫になって。でも、やっぱり外の世界は解放感があり、空を眺めると気持ちがよかったですね。

中国人に比べると
日本人は危機感が薄い

――4月7日には、武漢の封鎖が解除されました。今の上海の様子を教えてください。

 武漢の封鎖は解除されましたが、1〜2万人の無症状患者が全国各地に出かけて、再び感染を広げるのではないかと、皆、恐れているようです。上海の有名な観光地は、いまだ閉まったままです。これから感染拡大の第2波が来るかもしれないと恐れる人も多く、ここ1カ月は気を抜けない状態が続くでしょう。

 とはいえ、現在の上海は気温も上がってきて、団地の中では大勢の人がバドミントンをしたり、ローラースケートやスケートボードなどで遊んでいます。中には、マスクをしていない人や、大声でしゃべっている人もいる。そういった面では、あれほどコロナウイルスに神経質だった中国の人々もかなり緩んできたような感じがします。

 それでも、中国人に比べると、日本人の方が危機感が薄い人が多いように感じます。今回、上海に戻ってきた日本人駐在員は家族を日本に置いてきた人が多い。単身で上海に戻った途端に、みんな羽を伸ばし、居酒屋に入り浸る人も多かった(※筆者注:上海には日本と同じような居酒屋が多く、既に開業している店も少なくない)。

 一方、上海市民は店で食事することがほとんどなく、出前を頼むか、テイクアウトがほとんどでした(※筆者注:ここ1〜2週間で状況は大きく様変わりしており、開業する店舗が増えるにつれて、店で食事をする上海市民も増えている)。