究極の「キャッシュレスオンリー」を目指す無人店舗はどうか。すべてがテック任せとなり、レジでの対面やりとりやカードの手渡しなどはなくて済む。しかし、無人店舗にも違いがある。ひとつは、事前に決済用のクレジットカードなどをアプリに登録しておき、店への入店あるいは退店の際に自分のスマホでQRコードをかざすだけで決済終了という方式。アメリカのアマゾン・ゴーなどが採用している。

 以前、ローソンの実験店舗でこの方式で購入体験をしてみたが、そこでは商品ごとにICタグがつけられており、買い物では選んだものを普通にレジ袋に入れていく。スマホのQRコードをかざしてから退出ゲートを通れば、自動で買ったものの識別が自動で行われ(ゲートのセンサーで商品のタグを読み取っている)、その合計額がアプリから決済される仕組みだった。これなら、自分のスマホにしか触れることはない。

 有人店舗にはなるが、ローソンがアプリで提供している「ローソンスマホレジ」は、やはりアプリを入れておき、決済手段を事前に設定しておけば、自分で商品バーコードを読み取っての決済が可能で、有人レジに並ぶ必要がない(対応店舗はまだ限られている)。

 今年3月に開業した高輪ゲートウェイ駅構内にある無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」の場合は別方式だ。こちらでは、店内に設置されたカメラが客と手に取った商品を識別し、そのまま決済エリアに進むとタッチパネルに商品名と合計金額が表示される。

 それに間違いがなければ、あとはSuicaなど交通系ICカードをタッチして支払うだけだが、決済時には金額確認のためにパネルに指を触れる必要がある。アプリのダウンロードやスマホを取り出す必要がなく、決済もスピーディなので、そこだけがネックと言える。やはり、手袋はあったほうがいい。

政府は「非現金決済」を
もっとアピールしたらどうか

 完璧ではないにせよ、キャッシュレスが感染防止の一助になることは確かだろう。政府はもっと対コロナ策として非現金決済を呼びかけてほしいし、店側もレジに立つ店員を守るために、積極的に取り組むべきだ。せっかく身近に使える技術があるのだから、事業者も働く人も買う人もできることをして身を守ろう。

(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)