私は依頼を受けることにしました。当時、まだ見習い探偵だったので、先輩の探偵レッドスターに相談しました。「対象者の鈴木さんマジメ…レンタカーが返ってこない…季節は冬…あのパターンだろうなぁ~」と答えてくれました。

 私が「あのパターンって何ですか?」と聞くと「これも勉強だから。レンタカー屋さんは、免許証のコピーを取っていると思うから、鈴木さんの自宅に行ってみて、そこから話を聞いてみるといいと思うよ」と言われました。

 10年前で個人情報保護法もそこまで厳しくはなかったので、浜田さんから教えてもらった鈴木さんの自宅に行きました。庭付きの2階建ての一軒家でした。

 私はレンタカー店の店員を装い、鈴木さんの家のインターホンを鳴らしました。すると40代ぐらいの女性が出てきて、私が「○○レンタカーの者でして、実は鈴木さんが車を借りられてから1週間ご返却がなくてですね…」と話しました。女性は泣きながらも「会社からも連絡があり、1週間前から出社していないらしくて。旦那はマジメで無遅刻だし、無断欠勤など今まで一度もしたことがありません。もしものことがあるといけないので警察に捜索願は届け出ています」と教えてくれました。

会社で同期でライバルの男性から
有力な情報を聞き出し…

 私は鈴木さんが何かしらの事件に巻き込まれていると察し、奥さんから鈴木さんの会社の住所を聞いて向かいました。鈴木さんは保険会社に勤めていました。コンシェルジュの方にお話をすると、すんなり専務と会うことができました。奥さんが会社に連絡を入れてくれていたんだと思います。

 私が事情を説明すると、専務も「鈴木君は本当にマジメで無遅刻、無欠勤で保険の営業成績も常にトップ3には入っていたんです。そんな鈴木君が急に会社に来なくなり、われわれも驚きを隠せないんです」。専務にも、奥さんにもレンタカー店の店員さんとして挨拶してしまったので、そのまま周りの社員さんに聞き込みをはじめました。

>>(下)に続く

>>後編『「超マジメな彼がなぜ!?」レンタカーで女性と消えた営業マンの胸中(下)』を読む