東京
融通無碍な安倍政権は、良い意味で言えば、もっと現実的な追加経済対策を柔軟に講じることができそうだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「給付金1人10万円」への変更に見る
融通無碍な政権の良い点、悪い点

 低所得世帯や収入激減世帯を対象とした1世帯30万円の給付金は、世論の強い反発を受け、すべての国民を対象とした1人10万円の給付金に衣替えとなりました。一度閣議決定された緊急経済対策と補正予算の内容が変更されるという、異例の展開となりました。

 しかし、これで経済対策がコロナ対応で必要十分な中身になったかと言えば、そんなことは全然ありません。今回は、今後早急に必要となる追加の経済対策は何かを考えてみたいと思います。

 まず、1世帯30万円の給付金を1人10万円に変更したのは正しい対応と言えます。収入の減少で苦しい思いをしているのは、30万円を配る対象であった全世帯の2割をはるかに超えているからです。個人的には所得制限があった方が良かったと思いますが、迅速な給付という観点からは全国民に配るのもありでしょう。

 ちなみに、当初の1世帯30万円というスキームは、ちょっと考えれば絶対に国民から評価されないとわかるにもかかわらず、なぜ当初はその案でまとまったのでしょうか。個人的には、経済対策の内容を西村大臣以下の経産省勢に任せたことが原因と思っています。

 経産省勢が麻生大臣を擁する財務省と交渉すれば、自民党の側も決断力のない岸田政調会長なのだから、それは財政負担が少ない案になって当然です。

 ただ、今回の給付金の中身の変更には大きな意味合いがあることを、忘れてはいけません。それは、安倍政権はこれだけ大きな政策変更を突然やってしまうくらいに、よい意味でも悪い意味でも融通無碍な政権であるということです。