新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、在宅勤務に取り組む企業が増えている。一方で、夫婦で過ごす時間が増え、収入減や家事のストレスなどから、夫婦ゲンカなどのトラブルも増えている。では、家に居づらいからといって、在宅勤務命令を無視して会社で仕事をしたら、それは懲戒処分の対象となってしまうのだろうか。(社会保険労務士 木村政美)
首都圏にある食品専門商社。従業員数200名。
<登場人物>
A:35歳。総務課主任。新型コロナウイルス感染防止のため、緊急事態宣言後から在宅勤務になった。
B:32歳。Aの妻で専業主婦。3月下旬まで近所の飲食店で週15時間のパート勤務をしていたがコロナの影響で店が閉店となり解雇された。
C:40歳。総務課長。
D:甲社の社長。
E:Cの学生時代の友人で社労士。
夫の在宅勤務で
妻の不満が爆発
「今日の昼ご飯は何?」
「ふざけないで!昼ご飯くらい自分で作って!」
「無理だよ。俺は今、家にはいるけど勤務中なんだから」
「あ、そう。だったら昼休み時間に近所のコンビニでカップラーメンでも買って食べて」
「何だと!」