「出勤する以上、働く人の
不安はゼロにならない」

 この情報を作成した産業医の1人で、中小企業などを対象に産業保健サービスの提供を行うOHサポートの今井鉄平代表は「コールセンターにはクライアントとの関係や、3密になりやすい業務の特性という制約はある。だがその中で(企業側が)できる限りの工夫と努力をすることが重要。それほどコストをかけなくてもできる対策はある」と指摘する。

 またオペレーターが発熱した場合は、「今は発熱したらコロナ感染を疑うことが前提。まずは出社させないことが重要。『すべての症状がおさまってから3日間』かつ『発症から8日間』は出勤させないことが望ましい」と注意を促す。業績を優先して早期出社をうながすことは、3密職場だけに即クラスターを引き起こしかねないのだ。

 今井代表はこういった直接的な対応以外にも、「企業が可能な限りの対策をとったとしても、出勤する以上、オペレーターの不安はゼロにはなることはない。そうした不安を少しでも解消するためにも、普段からコミュニケーションを取りやすい職場環境をつくっておくことが大切」ともアドバイスしている。

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