「コールセンターは
高リスクの職場」

 東京商工会議所はホームページ上で、企業各社に職場環境をチェックしてもらうことを目的に、産業医がまとめた「企業向け新型コロナウイルス対策情報」を継続的に発信している。これまでに7回にわたり情報発信した中で、コールセンターについては緊急事態宣言(7都府県)発令から約1週間後の4月15日に特に対策情報を掲載した。

 コロナ対策情報はコールセンターについて、「感染拡大リスクの高い職場」と位置付けている。クラスター感染が実際に発生している業態で、特に注意を喚起しようというのが情報発信の狙いだ。たとえばNTTドコモの東京都内のコールセンターでは3月下旬、9人が感染するクラスターが発生している。コールセンター企業ができる基本的な対策として、以下を推奨している。

 ・接触感染を防ぐために共有する物品はできるだけ個人専用とする
 ・飛沫(ひまつ)感染を防ぐために座席の距離を空けたり、仕切りを設けたりする

 特に共有物品については、「(ヘッドセットの)マイクやパソコンのマウス、キーボードはすぐに交換できるカバー部分だけでも個人専用とする」、「やむを得ず複数名で使い回す物品は、界面活性剤を含む住居用洗剤かアルコールで拭き取りや洗浄を行う」と具体的な対策に言及している。

 多くのオペレーターが不安を感じる、同僚からの飛沫感染についても、具体的な対策が提示されている。「対面を避ける、隣席との距離を空ける(1つ飛ばしにする)など、席の配置を見直す」「部屋の広さの制約などで2メートル以上の間隔を空けにくい場合は、ビニールシートやアクリル板で簡単な仕切りを設け、業務中はマスクを着用してもらう」といったものだ。