新型コロナウイルスが猛威を振るう中、コールセンターで働く人が3密環境を強いられている――。この事実を伝えたダイヤモンド・オンラインの記事に、大きな反響が寄せられている。「心が折れそう」「助けて」。オペレーターとして働く人が不安や怒りを訴えるメールが、次々と編集部に届いている。記事の続報として、編集部に寄せられた声を伝える。(ダイヤモンド編集部 杉本りうこ)
すでに100件の
メールが届いている
記事は『コールセンターの「極限3密」苛酷実態、非正規雇用の不安が追い打ち』と題して、ジャーナリストの藤田和恵氏が取材・執筆したもの。窓の開かない部屋で、オペレーター100人が手の届く範囲に密集しているという3密(密閉、密集、密室)環境。パソコンや通話用のヘッドセットを共有していることにも感染不安がある。こういった環境を問題視したKDDI子会社のオペレーターは、労働組合に加入した上で、会社側に団体交渉を申し入れている。
25日朝にこの記事が公開されると、会員制交流サイト(SNS)で盛んに拡散されたのと同時に、コールセンターで働く人からの意見が続々と編集部に届いた。公開から現在までに寄せられたメールは、およそ100件に上る。1本の記事に対し、ここまで多くの反響が寄せられたことは過去を振り返っても非常にまれだ。
メールボックスには「コールセンター勤務者です」「見捨てられた業界」といった件名が並ぶ。大半はオペレーターとして働いている人からの情報で、それ以外にもコールセンターの管理職や、他の業界で働いてコロナによる打撃を受けている人からの意見が一部あった。
A4用紙なら2~3枚にわたる長文のメールも目立った。コロナを受けた巣ごもり消費で、通信販売などのコールセンターはむしろ忙しい。3密での長時間労働で疲弊しているはずなのに、時間をかけて長文をつづってきたことに、オペレーターの強い不安と怒りがうかがえる。
編集部は今後、深刻な事例については送信者の同意を得た上で個別の取材を行う予定だ。この記事では、メールの一部を引用して、コールセンターの現状を改めて伝える。引用に当たっては、個人情報保護や読みやすさなどの観点で一部、固有名詞や表現を改変している。