「円ドル綱引き」の転換点は日本の新型コロナ感染拡大が“鍵”握るPhoto:PIXTA

 新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴って、2月下旬から、ドル円レートは乱高下した。

 当初は「リスク回避の円買い」だったが、その後は「有事のドル買い」になった。

 最近は、日米金融当局の金融緩和で円・ドルともに通貨高の圧力が緩和されているが、ここに来て円とドルの綱引きのバランスが崩れる可能性が出てきた。

 鍵を握るのは、日本で爆発的な感染拡大が抑えられるかどうかだ。

ドル円相場は乱高下
当初は「リスク回避の円高」

 2月下旬から3月上旬にかけて、1ドル112円台(2月24日)から101円台(3月9日)まで10円以上の急激な円高ドル安が進行した。

 それまで、中国にとどまっていた新型コロナの感染拡大が欧米にも急速に広がったことで、世界経済の減速懸念を通じて市場でリスクオフ(回避)の円買い圧力が急激に強まったためだ。