6日の外国為替市場で、トルコリラが対ドルで2年ぶりの安値に下落した。新型コロナウイルスで国内経済が大きな打撃を受ける中、通貨安を阻止するトルコ中央銀行の能力は乏しいとみる投資家が売りを浴びせている。リラは年初来、すでに2割近く値下がりしていたが、この日の取引では1.1%安の1ドル=7.15リラに下落。この水準は終値ベースでは過去最安値となる見通しだ。一時は、2018年8月にパニック的な売りが膨らんだリラ急落時の水準を下抜ける場面もあった。トルコはコロナ危機に見舞われる前から、インフレ高進や成長低迷により経済がぜい弱な状況にあった。そこにコロナが中核産業の観光業を直撃。最大の輸出市場である欧州連合(EU)も、大半の国がウイルス封じ込めに向けた都市封鎖措置を敷いている。