あなたが「面白い仕事」を任せてもらえない本当の理由
アイデアを実現するためには、大風呂敷を“畳む”人が必要です Photo:PIXTA

視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。

突飛なアイデアを
着実に実行に移す「畳み人」

 だいぶ前の話だが、ある社外の方が私を褒めた一言が印象に残っている。

 他社と合弁で、新しい事業会社を立ち上げた頃の話だ。

 新会社では私も技術担当の役員として経営に参加した。そのため、事業の方向性などを話し合う会議にも参加していたのだが、そこでは、社長(私がもともと所属していた会社の社長が兼務していた)を中心に侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が行われることが多かった。まったく新しい事業を計画していたからだ。

 その一言を発したのは、合弁相手の企業から派遣されていた年配の役員の方だ。「浅羽さんは、社長の話を大きく受けられますね」とおっしゃられたのだ。

「大きく受ける」とは、社長のアイデアに自分の考えを加えて受け取っているということ。つまり「そんなの無理です」と尻込みするでも、「いいですね」とそのまま受けるのでもなく、アイデアをふくらませて、より大きなものにしている。これは、なかなかできることではない、とその役員の方は感心してくださったのである。

 せっかく褒めていただいたのだが、実際には「大きく受けた」がゆえに大変な思いをする羽目になることが多かった。やりがいはあったのだが、自分ではうまく実行しきれず、結局周りに迷惑をかけるケースが珍しくなかった。

 私は、自分ではやり切れない仕事を自分でつくってしまう、「おっちょこちょい」にすぎなかったのだ。

 あの頃、私はどうすれば、大きく受けたアイデアを、自分の手で実行することができたのだろうか。