また、このような表現は「Aさんをえこひいきしている」「私は見捨てられた」という誤解や被害妄想にもつながり、Aさんが嫉妬や妬みの対象になってしまう可能性もあります。こうなってしまうと、チームの雰囲気にマイナスの影響が出てしまい、チームで成果を挙げるどころではなくなってしまうでしょう。

「キミだけだ」は
仕事でも通じるOKワード

 この場合、伝えるべきなのはこんな言葉です。
「今はまだ客先に出せないけど、根性あるから、いつか、いい営業になれるよ」

 発奮させたいがために相手と比べる必要はありません。すでに注意されたり叱られたりして、女性は「自分が至らなかったから」と自己肯定感を下げてしまっています。上司が何も言わなくとも、彼女たちはすでに傷つき、落ち込んでいるのです。このような精神状態に陥ってしまった女性には、むしろ励ましのメッセージが必要です。

 ここでポイントは、飴と鞭の1セットで伝えるということです。至らない点、改善して欲しい点はしっかり指摘しつつ、でもそれを乗り越えれば成長できる、そんな期待感を込めた一言はおどろくほど女性を勇気づけてくれます。
なぜなら自分はもはや上司から期待されていないと思っているので、それが良い意味で裏切られるからです。この一言で自分にも存在価値があると思うことができ、気持ちのベクトルが「がんばろう」というモチベーションに向かうのです。

 このように女性が自己肯定感を高め、存在価値を実感できるフレーズは様々なシーンで使えます。

「この仕事、ぜひ君にやってもらおうと思っているんだ」

 誰かと天秤にかけるのではなく、最初から「あなた以外の選択肢はない」と、はっきりわからせておくのです。このポイントさえ押さえておけば、なかなか自信を持てない女性でも、がんばってみようと思うことができます。そして「そこまで言ってもらえるんだったらやってみよう」と、モチベーション高く仕事に取り組んでくれるでしょう。

 また、仕事が終わったときに伝えるフレーズにも、女性が存在価値を実感できるものがあります。

「君がいて助かったよ」

 自信なさげに引き受けた女性が結果を出せたときには
「君なら任せればできると思っていたよ」
と伝えれば、次回はもう少し自信をもって、仕事を引き受けられるようになるでしょう。