さらに、期待以上の働きをしてくれた女性には、
「これをやらせたら君の右に出る人はいないね」
くらいの言葉をかけてあげていただきたいと思います。

 少し面倒くさいと思うかもしれませんが、これらのたった5秒の一言が、女性社員の自信につながり、次のチャレンジも引き受けてみようという、メンタリティの育成につながるのです。

「やってるフリ」は
こうやって生まれる

「いいから(黙って)やれ!」

 真面目でがんばりやの女性が一番表情をこわばらせるのが、上司から放たれるこの一言です。仕事は仕事。それが自分に与えられた仕事である以上、「いいからやれ!」というのが仕事のルールではあります。しかし、仕事に真面目であればあるほど、女性は納得してからでないと動けないのです。

 そのあたり、仕事を仕事として割り切れる男性のほうが上司としては扱いやすいかもしれません。女性と比べて「自分はホームランを打ちたいけれど、監督に指示されたのはバント」というチームスポーツのルールに従うことに慣れ親しんできた男性であれば、「いいからやれ!」も比較的すんなりと受け入れることができるでしょう。

 しかし真面目な女性の場合、そう簡単に受け入れることはできません。なぜその仕事をやる意味があるのか、なぜ私がやる必要があるのか。ここを納得したいのです。したがって、「どうしてこれをやる必要があるんですか?」「それ、本当に私がやるんですか?」と上司に詰め寄るのは、女性の真面目さがさせることであり、決して反抗してのことではないのです。

 詰め寄る以上にもっと厄介なのが、「一応やる」「形だけやったことにする」という行動です。しかも、イヤイヤやっているのが目に見えてわかるほどモチベーションを下げながらやってくれます。さらには、適当に「やっているフリ」をする人もいます。これが常態化すると、仕事は確実に停滞します。それでも「やったフリ」だけは上手にこなすので、上司としては注意しようにもできない状態になってしまいます。