自動化やアウトソースの影響を受けないと多くの非技能労働者が思えたのは、近年では肉体労働や人との接触を伴う低賃金の仕事だけだった。現在、そうした仕事さえ吹き飛ばされつつある。4月の失業2050万件のうち、最も打撃が大きかったのは、ソーシャルディスタンス(一定の対人距離確保)措置が最も必要とされる職種・セクターだった。賃金も平均より低かった。娯楽とホスピタリティーは時給が平均18ドル(約2000円)で、770万人が職を失った。小売りは同21.20ドル、210万人だった。失業は賃金が最も低いこれらの職種に集中していたため、民間部門全ての従業員の平均時給は30.01ドルと、3月から4.7%上昇した。所得分類で最下層の人々は2007~09年のリセッションとその余波で打撃を受けた。それが変わり始めたのは2016年、失業率が1960年代以降の最低に向かっていった時だ。2010年から今年2月には、高卒者の失業率が10%強から4%弱に低下。この低下幅は大卒以上の労働者の2倍に当たる。血眼で労働者を求める企業が初任給を押し上げ、前科があるなど長らく敬遠されてきた層を雇い始めていた。