2月、米南部ジョージア州ブランズウィックの路上で銃撃され死亡した黒人男性アフマド・アーベリー氏(25)について、読者は聞き及んでいるかもしれない。検察は当初、加害者とみられる白人のマクマイケル親子の訴追を見送った。父親のグレゴリーと息子のトラビスの両容疑者による武力行使は正当だというのが理由だった。その後、ジョギングをしていた丸腰のアーベリー氏がマクマイケル親子に行く手を阻まれ、至近距離から銃撃される現場をとらえたとされる動画が浮上した。容疑者の親子は現在、殺人罪で起訴された。だが、1週間前にデラウェア州ベアの退役軍人墓地で射殺されたマリノ夫妻のニュースは聞いていないかもしれない。夫のポール氏(86)、妻のリディア氏(85)は、2017年に死亡した息子の墓参りに来ていた。当局はこれまで、殺害動機を解明していないが、29歳の黒人男性シェルドン・フランシスを容疑者として特定した。容疑者はその後、警察との銃撃戦の末、死亡が確認された。
米国のヘイトクライム、「現実の歪曲」事例とは
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