中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が22日、北京で開幕する。新型コロナウイルスの影響で、当初の予定より2カ月半遅れの開催となる。コロナ感染拡大以降では初の政治イベントで、習近平国家主席は共産党の結束を打ち出すとともに、反対派を封じ込め、大きな打撃を受けた国内景気の再生に全力を挙げる姿勢を示す構えだ。習氏の側近らは指導部を称賛するなど、党の結束を示唆している。だが、共産党の動向に詳しい筋は、習氏の最近の言動からは、コロナによる政治的な悪影響を危惧していることがうかがえると指摘する。コロナ感染拡大で中国では景気が大きく冷え込んだほか、党の危機管理での亀裂も露呈した。清華大学の元政治学講師、呉強氏は、コロナ流行による政治・経済・外交面の影響を巡り疑問が生じているとしたうえでこう指摘する。「(コロナが)習氏の指導体制に影を落としている。習政権は統治体制に対する信認を必要としている」
全人代開幕へ、経済再生目指す習体制にコロナの影
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