いつの間にかコロナ感染者数が
激増しているブラジルの惨状
国のトップが無策だと、ここまでコロナの被害は拡大するものなのでしょうか。いえ、日本のことではありません。ブラジルの話です。
もともと新型コロナは、冬の北半球で2月頃から流行し始めましたが、南半球の季節が秋に変わった4月あたりから南半球の国々でも勢力を広げ始め、5月に入ると感染爆発の様相を示してきました。
南半球で一番深刻な感染拡大が起きているのがブラジルです。直近で感染者は25万人を超え、アメリカ、ロシアに次ぐ世界第3位の新型コロナ感染国になってしまいました。そして、そうなってしまった最大の理由といわれているのが、ボルソナロ大統領です。
「ブラジルのトランプ」と呼ばれるボルソナロ大統領は、実際に米国のトランプ大統領のファンとして知られており、その政策はトランプ主義をさらに過激にしたようだと形容されています。
新型コロナ対応に関しては経済活動を優先させる方針で、それに反対して感染拡大を抑える政策を提言した保健相が、すでに2人辞任しています。しかも経済を優先させたわりには、感染拡大が投資家に嫌気され、ブラジル株と通貨のレアルはともに価値が暴落。とにかく、うまくいっていないのです。
あくまで対岸の火事、それも無策なトップが引き起こした人災というふうに見えますが、よくよく状況を分析してみると、ブラジルの姿からはこれから先、日本が経験するであろうアフターコロナ対策について学べることがあります。