コロナ禍による緊急事態宣言が5月末には解除されそうな気配が漂っているが、「第2波」の懸念もあり、終息にはもう少し時間がかかりそうだ。そんな中、「コロナは高温多湿に弱い」「夏になれば終息する」という見方も根強くある。果たして、それは現状のデータから証明できるのか。医師(日本内科学会総合内科専門医)であり、かつビジネススクールで教える筆者が、検証する。(中央大学大学院戦略経営研究科教授、医師 真野俊樹)
日本は新型コロナ対策が
欧米より巧みであったのか?
日本における新型コロナウイルス感染症による死亡者数が欧米に比べて少ないことが、国内外で話題になっている。新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の尾身茂副座長は、その理由について、医療体制の良さや初期段階でのクラスター対策の成功、国民の健康意識の高さを挙げている。
しかし、いまひとつ納得がいかないことが多く、すっきりした説明が求められている。
こういった日本の状況に対して批判的な言い方をすれば、「PCR検査などが不適切である」とか、「死亡者数が正確に把握されていない」という意見が出る。しかし、コロナウイルス感染症では間質性肺炎など、特徴的な死に方をすることが多い。