日本では介護施設への訪問診療も定期的に行われるなど医療の介入が多い
日本では高齢者施設や住宅への訪問診療が定期的に行われるなど医療の介入が多い(写真はイメージです) Photo:PIXTA

新型コロナウイルスの感染拡大は日本も徐々にピークアウトしてきているように見える。このまま外出自粛が守られて順調に行けば、懸念された医療崩壊もなさそうだ。一方、時々話題に出るのが介護崩壊だ。日本の新型コロナ対策は諸外国に比べ、PCR検査不足の問題をはじめ決して万全なものとはいえない。それでも死亡者が少ない理由は何か。医師(日本内科学会総合内科専門医)であり、かつビジネススクールで教える筆者が、日本の医療・介護制度から、その理由を指摘する。(中央大学大学院戦略経営研究科教授、医師 真野俊樹)

日本は海外に比べ
高齢者施設での死亡者が少ない

「緊急事態宣言」は5月末まで延長されることになったが、日本全国の死亡者数や感染者数は減少傾向にあり、日本も諸外国同様に新型コロナウイルスの感染がピークアウトをしてきたように思える。ここで、なぜ日本で死亡者数がこんなに少なかったのかを考えてみたい。

 よくメディアで話題になる医療崩壊とは、「患者が医学的な必要に応じ入院できないことなど、あるいは医師による適切な診断・治療を受けられないこと」を指す。具体的にはアメリカやイタリア、ベルギーといった国で起きているように、1日の死者が何百人、何千人という状態で、通常の医療的措置が成り立たない状態である。つまり、日本では、救急車のたらい回しなど新型コロナウイルス以外の重症疾患対応でいくつかの問題などがあるにせよ、医療機関は適切な医療を行える状況にあるので、医療崩壊は起きていないと考えられる。