トランプ米政権は、ロシアと西側諸国との戦争リスクを低減する狙いで締結された領空開放(オープンスカイ)条約からの離脱に向けて動いている。関係者が明らかにした。米政府高官が21日に同盟国に対し、6カ月前通告でオープンスカイ条約から離脱する旨を伝える見通しだ。1992年に交わされた同条約は互いの領空での偵察機の飛行を認めており、相手側に攻撃計画がないことを確認する役割を果たしている。米国務省関係者はコメントを控えた。米国家安全保障会議(NSC)の報道官はコメントの要請に応じていない。トランプ政権関係者や保守派議員の一部は、ロシアはオープンスカイ条約を利用して米の国内施設などに関する情報収集を行いながら、西側諸国に対してはロシア領空での飛行を制限していると主張してきた。また、商業用衛星技術を活用することで欧州諸国は攻撃計画を確認することができるとの議論も展開している。