全米各地で新型コロナウイルスの検査態勢は強化されているものの、経済活動の安全な再開を目指す企業や保健当局は障害に直面している。標準の検査技術はなお最先端の研究施設を必要としており、結果判明までには数時間、場合によっては数日を要するためだ。そうした中、自宅で行う妊娠検査薬並みの手軽さで、誰もが入手できるような一歩進んだ検査技術の開発が急ピッチで進められている。ノースウエスタン大学遺伝医学センターの責任者、エリザベス・マクナリー氏は「究極の理想は、毎朝自宅で行える検査だ」と述べる。だが診断の専門家は、質の高い簡易検査が広く普及するのは数カ月先だと予想している。現在の標準検査の感度を維持しつつ、患者のサンプルを採取する非侵襲的な方法を見いだすことなどが課題となっている。例えば、現在の新型コロナウイルス感染症検査で主流となっている鼻の粘膜を採取する方法は侵襲的であり、自宅で正しく再現することは難しい。