千葉大学医学部付属病院・総合診療科の生坂政臣医師
「中には、様子を見てはいけない、怖い“腰と背中の痛み(腰痛)”があります」と説明する千葉大学医学部付属病院総合診療科の生坂政臣医師 Photo by Hiromi Kihara

多くの人が経験する「腰と背中の痛み」。いわゆる、「腰痛」と呼ばれるものだが、まれに命に関わるような怖い、重大な病気のサインであることもあるようだ。そこで、千葉大学医学部付属病院・総合診療科の生坂政臣医師に、「様子を見てはいけない、腰や背中の痛み」について話を聞いた。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

腰背部の痛み
一番怖いのは「大動脈解離」

「腰痛」は日本人の国民病と言っても過言ではない。厚生労働省の調査でも、「自覚症状がある不調」の男性1位は「腰痛」で2位が「肩こり」、女性の1位は「肩こり」で2位が「腰痛」となっている(国民生活基礎調査 2013年)。40歳以上の人口のうち、腰痛を有する人は2770万人(男性1210万人、女性1560万人)という推定もある。

 ただし、一口に腰痛といっても、その原因はさまざま。ほとんどは整形外科やペインクリニックの受診が妥当だが、中には生命に関わる、しかも一刻を争う内臓の疾患である可能性もある。不安な痛みに襲われたとき、我々はどうしたらいいのだろう。

「どこの病院で診てもらっても診断がつかない」あるいは「何をやっても治らない。私は本当に○○病なのか」など、“謎の病気”に苦しむ患者が全国から訪れる「診断の最後の砦(とりで)」、千葉大学医学部付属病院総合診療科の生坂政臣医師に、様子を見ていてはいけない“腰と背中の痛み”について話を聞いた(*生坂医師によると、「診断の際、背中と腰は、『腰背部』としてまとめて考えるべき」だという)。