中国は人民元の基準値を12年ぶりの低水準に引き下げた。中国政府は景気低迷や高まる米国との摩擦に対応するうえで元安がメリットになると考えているようだ。中国人民銀行(中央銀行)は26日、元の中心レートを1ドル当たり7.1293元と、2008年2月以来の最低に引き下げた。中心レートはそれまでの相場の動きなどで決められ、人民銀はこれを中心にした価格帯でのオンショア元取引を認めている。香港など、管理が緩めのオフショア市場でも元は取引される。元は米中貿易摩擦が形成された2018年と19年の多くを通じて下落した。8月には1ドル7元を下回り、中国政府は為替操作をしているとしてドナルド・トランプ大統領が非難した。だがその後、2020年1月にかけて上昇した。同月、米中は部分的な貿易協定に署名した。