米アパレル・高級家庭用品大手ラルフローレンのファッションは、時代を超えた「タイムレス」がうたい文句。だが、同社の事業戦略は時代の変化に対応している。ラルフローレンが27日発表した1-3月期決算は赤字で、今四半期はさらに悪化する見通しだが、この日の株価の下げは限定的だった。このことは、世界の小売業界が息を吹き返しつつある中、投資家がラルフローレンの長期的な業績推移に信頼を抱いていることを示唆している。同社の発表によると、営業赤字は2億8380万ドル(約305億7000万円)。同社最大の市場である北米での売り上げ減少が、最も大きな打撃となった。期待が低かったことが幸いしたかもしれない。1-3月期の売上高は前年同期比15%減だったが、減少率はアナリストの平均予想をわずかながら下回った。最大の急成長市場である中国本土で販売が回復していることは、ラルフローレンの売り上げが世界の他の地域でもそれなりに持ち直すとの期待感を抱かせる。中国での売上高は、店舗の休業がピークだった2月には減少率が2ケタ台後半にまで及んだが、5月初旬時点で売り上げは戻ってきている。