大型経済対策の実施、日本景気は底打ちから回復へコロナ禍で苦境の日本景気。だが、落胆する見通しばかりではない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

新型コロナ直撃の日本景気
3期連続のマイナス成長は必至

 政府は5月25日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を5都道県で解除。これにより日本全国で宣言が解除されることになった。ただ、政府や地方自治体による外出自粛、休業要請により、経済活動は大幅に落ち込んでいることが明らかになっている。

 経済全体の動きを示す実質GDPは、2020年1-3月期に前期比年率で3.4%落ち込み、19年10-12月期に続くマイナス成長が確認されている。4-6月期は、年率で20%を超えるマイナス成長になるとの見方が多い。

PMIは5月に小幅上昇
ヒトの動きは回復

 ただ、ここにきて経済活動の落ち込みに歯止めがかかり、持ち直す動きも出ている。auじぶん銀行日本コンポジットPMI(総合購買担当者景況指数)は、企業の景況感を示す指数で、景気の動きに敏感に反応するが、5月に小幅ながら上昇している。内訳をみると、製造業で指数の低下が続いている一方、サービス業の指数が上昇し、全体の上昇をもたらしている。

 5月のPMIが上昇に転じたのは、政府が5月14日に39県を対象に緊急事態宣言を解除し、21日には大阪・京都・兵庫にも解除を広げ、解除された府県で休業要請の解除・緩和が進んだことがある。宣言解除により、ヒト・モノの移動の制限が緩和され、凍結された経済活動の一部が動き出したといえる。

 アップル社は、ヒトの移動データを日次で発表している。これによると、ヒトの移動量は5月から下げ止まり、持ち直している。一方、公共交通機関によるヒトの移動量は、2月中旬以降減少基調となった後、3月中旬にいったん増加したものの、5月5日には7割近く落ち込んだ。しかし、その後は増加基調で推移している。公共交通機関による移動量を月単位で見ると、3月、4月は大きく落ち込んだが、5月(26日までの平均)は小幅ながら増加している(図1参照)。