transshipment:
トランスシップメント

中国企業が「原産地ロンダリング」でトランプ関税を回避?トランプ政権は「迂回輸出」への対抗策を打ち出す

 米トランプ政権の相互関税が世界を揺さぶる中、「トランスシップメント(transshipment)」が大きな焦点として浮上してきた。

 トランスシップメントとは、外国企業が第三国を経由して自国製品を米国市場へ流入させる迂回輸出のこと。トランプ政権はトランスシップメントを排除する方針を鮮明にしており、7月末には対抗策を発表している。

 モデルケースはベトナムだ。7月初頭に米国との関税交渉で合意が成立し、米国へ輸出されるベトナム製品には20%の相互関税、トランスシップメントには40%の追加関税(additional tariff)が課せられることになった。

 専門家の間では「中国企業を狙い撃ちした措置」との見方が多い。第1次トランプ政権が高関税政策を打ち出して以降、中国企業は東南アジア各国やメキシコで相次ぎ工場や倉庫を立ち上げ、米国への輸出拠点として機能させてきたからだ。

 ここから出てくるのが「原産地ロンダリング(origin laundering)」という疑惑だ。トランプ政権内では「中国企業が東南アジア製品やメキシコ製品を装って、自国製品を米国市場へ流入させている」といった警戒感が根強い。

 ちなみにベトナムでの中国製部品の輸入は急増している。

 英大手銀行HSBCの主任エコノミスト、フレデリック・ニューマン氏は米通信社ブルームバーグに対して次のようにコメントしている。