たった1回の高脂肪食で注意力が低下する?
チーズバーガーとフライドポテトを注文するのは、頭に良くない行動かもしれない。米オハイオ州立大学の研究グループが行った小規模な研究によると、飽和脂肪酸が多く含まれる食事を1回食べるだけで、注意力が低下する可能性が示された。詳細は「American Journal of Clinical Nutrition」5月12日オンライン版に掲載された。
飽和脂肪酸は、赤身肉や乳製品、ココナツオイルやパーム油などに含まれている。米国心臓協会(AHA)によると、飽和脂肪酸を取り過ぎるとコレステロール値が上昇して、動脈が詰まりやすくなる。しかし、影響はそれだけではないようだ。
論文の筆頭著者で同大学のAnnelise Madison氏は、「食事はパフォーマンスに影響を与える。ランチの後に集中力が続かないという話もよく聞かれる」と話す。同氏らは今回、1回の食事が注意力に与える短期的な影響を明らかにするため、51人(平均年齢53±8歳、乳がんサバイバー32人を含む)の女性を対象とする二重盲検ランダム化クロスオーバー試験を実施した。
対象者全体を2群に分け、飽和脂肪酸が多く含まれる食事、またはひまわり油を使った不飽和脂肪酸が多く含まれる食事のいずれかを摂取してもらい、食事の5時間後にコンピュータを使った検査で注意力を測定した。いずれの食事も、エネルギー量は930kcal、脂質は60gで統一した。また、食前12時間は絶食してもらった。