筆者の知り合いのあるストラテジストの意見を紹介しよう。彼は、「日本の株価を動かしているのは主に外人投資家の売買です。株価形成に対する日銀の影響は大きくありません。日銀のETF買いの意味は、主に個人投資家がもっと安値を買うチャンスを奪っているだけのことです」と言っている。

 なお、ETF買いが株価形成に影響しているとすると、日銀が幾らの株価を適正と考えているのかが問題になる。

 一方、株価形成に影響を与えていないのだとすると、「金融緩和の一手段として株式を買い入れているのであって、特定の株価を目指しているのではない」といった優等生的な答弁と平仄が合うことにはなる。

 しかし、株価形成に影響していないことが証明できない以上、「日銀が自然な株価形成に介入している」と一般に考えられていることの余計さは否めない。

運用業界で聞くようになった
「日銀補助金」という言葉

 ここのところ、運用業界で「日銀補助金」という言葉を聞くようになった。

 日銀が購入対象にしているETFは運用管理費用(信託報酬)が年率0.1%前後と概ね低廉だが、それでも、32兆円も残高があると、単純計算で運用会社に対する支払いは320億円に上る(実際には400億円台と推測される)。

 端的に言って、この費用は払い過ぎではないか。この費用は、最終的には国民の負担だと理解できる。

 日銀のETF保有によって、年間100億円以上の収入を得ていると推定できる運用会社もある。運用する側のコストは、運用資産残高が増えてもほとんど増加しないので、運用会社にとっては「いい商売」であり、「補助金」と呼ばれる所以だ。