株式相場は4、5月と新型コロナ禍はもう終わったかのような回復ぶりだ。早過ぎる株高に時間調整はあっても、経済再開に伴う高揚感から8月ごろまでミニラリーを期待する。
相場の悪材料は、上げ相場で無視されやすく、相場が鈍ってから評価される。経済が7割戻しあたりでもたつき、それを相場が意識して重くなると、9~12月にコロナ第2波、米大統領選挙、米中対立、新興国危機などが懸念材料として浮上すると想定している。
米中対立については当面、経済、金融、技術、軍事で優位に立つ米国が中国をたたき、中国は耐えながら対抗力を高める構図が続くだろう。折々に国内事情を映して、先鋭化したり緩んだり。今は、米大統領選に向け、トランプ政権がコロナ問題で募るストレスを、中国たたきをはけ口にして先鋭化させやすい。
中国にも引くに引けない国内事情が見える。コロナ克服や経済回復の殊更明るい報道は、順調さより、習近平体制の危機感の表れと読める。元相場には中国の苦境と意図が混在しているようだ。次ページ下図で見れば小さな元安だが、為替管理下で1ドル7.1元台と10年来の安値圏。そこにはこれを許容する国家の意図がある。
元安は国内経済対策として妥当だが、通貨安誘導だと米国の不興を買うのは必至。この先元安が進むほど、市場の先行き不安が頭をもたげよう。