結婚登記所に長蛇の列
520はカップルのための日
6年前の14年5月下旬、私は時事通信社が発行する「時事速報」に「娯楽人生」と題するコラムを掲載し、以下のように書いた。
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去る5月20日、一見、何の変哲もない平々凡々な一日のはずだったのだが、中国各地では信じられない騒ぎが起きていた。中国のネット上では5月20日、つまり「520」は「我愛你(あなたを愛する)」と語呂合わせで解釈されるからだ。
縁起のいい日に入籍しようという若いカップルが続出したため、各地の結婚登記所の前は長蛇の列となった。フェイスブックや中国版ツイッター「微博」、微信(WeChat)などのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)にも、「520」に関する表現が氾濫した。
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2014年から始まったこの騒ぎは、今や中国社会に習俗として定着し、いろいろなイベントも行われてきた。だが、微笑ましい一光景だと受け止めてきた今年の520は様変わりし、非常に重い苦しい政治的色彩の濃いものとなった。
もっとも、文革世代の私にとっては、520はこんなに軽やかな存在ではなく、非常に深い意味を持つ日であった。